この記事は【『グロキャン!』プログラムの裏側で講師が考えていること~プログラム1日目(後半)~】の続きです。この記事では『グロキャン!』運営側の視点よりプログラムを紹介していきます。実際のプログラム中に講師が何を考え、そして参加者がどう変わっていくのかをお伝えしていきます。プログラムの様子を感じてみてください。
プログラム2日目開始!
2日目のミッションからはチームで行動することになります。チームは昨日のうちに発表していたので、朝集まってチーム名を考えてもらいます。
チーム名はとってもユニークなものもあれば、過去には「チームホーチミン」などのド直球のものもあって毎回面白いです。
今日からの4日間はそのチームで行動していくことになります。

現地で聞き込み調査
今日の課題は足を使っての聞き込み調査がとても重要となる課題なので、各チームターゲットがいると思われる場所に出向いて、街の人に声をかけていきます。
スマホの画面を見せるチームもあれば、紙を印刷してみせるチームや、スケッチブックを使うチームなど方法は様々ですが、どの方法もチームの2人が一番良いと思った方法のはず。
課題が終わった後に他チームがどのようにして取り組んでいたのかを聞いて「そんな方法もあったのか!」と考える人も多いと思いますが、まずはやってみないと何も始まらないので方法は「自由」(とくにアドバイスもしない)として取り組んでもらっています。一度自分が考えた方法をトライしてみて、その経験からの学びを大事にしてほしいからです。

どうやってまとめていくのかをカフェで話し合います
カフェに入ってプレゼンテーションの準備。ここで使うツールも自由ですが、ベトナムはフリーWIFIが充実しているのでスマホやパソコンでどこでも作業ができます。こちらのチームは2人とも、持ってきたパソコンを使って調べ物をしたり、データをまとめていました。
話し合いをして、足りない情報があればまた調査に行ったりと、一日の時間の使い方も試行錯誤の繰り返し。この経験が、次の学びに繋がります。
2日目ミッション成果発表!
集合時間になると各チームが研修会場に帰ってきました。
発表開始の時間ギリギリまで、プレゼン資料を作ったり、話す内容の練習をしている姿に、こちらも気が引き締まります。

各チームごとにプレゼンテーション!
各チーム、思い思いのスライドを作ってきてプレゼンテーションを行います。
今日一日なにを調べて、どういう結果が出たのか。それは伝わりやすいスライドになっているのか。結論へのロジックは適切なのか、など、それぞれのプレゼンテーションについて評価を行っていきます。
プレゼンテーションにとても慣れている方もいれば、慣れてない方もいます。これは社会人研修でも同じで、普段からプレゼンを行っている営業職の方や、そういうゼミに入っている人が経験値も高くうまいのはあたりまえ。あまり慣れていない人離れている人からどんどん学んでいけば良いと思っています。また、このプログラムではパワーポイントの技術やデザインなどは評価に含めないようにしています。
重要なのは、実際に調べてきた内容と、それに対する考察。そして、全体の流れとロジック。それがしっかりと伝わってくるかこないかが、このミッションだけではなくプレゼンテーションでとても大事だと思っています。
もちろん、このミッションにも合格・不合格があります。合格できたチームと不合格のチーム、そのプレゼンにはなにが違ったのでしょうか?
それを振り返りセッションで各自考えて、学びに落とし込んでいきます。
2日目ミッション振り返り
振り返りセッションでは、まず各自が一日の行動を振り返り、その後全体にシェアしていきます。

各チームで一日の行動を振り返ります
振り返りではしっかりと手を動かしてワークシートを埋めていってもらいます。5日間、ワークシートを埋めていくことで振り返り(≒内省)のスキルも身に着けていってほしいと思っています。
チームによって行動も違うのでそこから出てくる学びも様々。もちろん同じ学びも数多くあり、その全てを全体で共有していきます。
皆の一日の振り返りや学びを聞いていると、昨日の学びを活かして、行動のレベルが間違いなく上がっているのを実感します。
更に上のレベルになっていくにはどうしたら良いのかを皆で考えていきます。

講師からのフィードバックもしていきます
講師からのフィードバックももちろん行います。
プレゼンテーションに対するフィードバックもあれば、全体から出てきた学びをホワイトボードに書き出して、そのそれぞれについて考え方や活かし方を補足したりと、その日の皆さんの行動や思考をベースに話をしていきます。
色々と話したいことがあるので、つい話しすぎてしまうのですが、「大事なことに気付いた」だけではなく、「それを明日からどう活かしていくか」というところまで皆が落とし込めるように、できるだけわかりやすく伝えていこうと心がけています。もちろん、わからないことがあれば遠慮なく質問していってほしいと思っています。
そうして、2日目が終了しました。
プログラムが始まってまだ2日ですが、とても濃い2日を過ごしており、疲れると思いますので、是非美味しいご飯を食べて、ゆっくり休んでほしいと思います。
プログラム2日目の日報の一部を紹介
プログラム中は毎日日報を書いてもらうことになっています。その日報を踏まえて、どんなメッセージを伝えていくかを毎日考えているのですが、その日報の一つ一つから皆の頑張りがとても伝わってくるのです。そんな日報の内容のうち、「今日の行動でよかったと思うこと」から抜粋して、紹介します。
- 質問を作る際に、相手にとっての答えやすさを意識していた。
- 結果を予想し、それを説明するための質問を考えることで仮説思考を使えていた。
- 事前にベトナムの現状を調べることで仮説を立てて選択肢を作ることができた。
- 正確な目的を把握することができ、方向性や着地点が定めることができた。
- ベトナム人と一対一の面談(約30分)の機会を作ったこと。深いコミュニケーションの場を設けた。
- 昨日のミッションで自分ができなかったことを克服しようという思いを持ち今日のミッションに取り組んだ。
このプログラムでは、終始「ビジネス」という視点を持ってもらえるように心がけています。
ビジネスとは、単なるお金儲けではなく、誰かへの貢献から始まると思っていて、そのために必要な要素を毎日盛り込んでいます。ベトナムに来てまだ3日目、プログラムが始まって2日目にして、海外ビジネスで重要な事に気づき、それを実践できている様子が日報からも伝わってきます。もちろん、明日への課題もまだまだありますし、明日はより高度な課題に取り組むことになっています。
今日の学びを活かせば、明日のミッションはものすごい成果が出るのではないか、と楽しみになります。